営業チームがうまく回らない会社に共通すること
営業チームがうまく回らない会社には、いくつか共通する型があります。この記事では、私自身がマネジメントで失敗した経験と、そこから見えてきた「合う人・合わない人への対応の偏り」「数字管理よりも関係性を優先する視点」を軸に、再現性のある改善のヒントをお伝えします。精神論ではなく、仕組みとして何を変えれば良いかを整理しています。
ある失敗談:合わない人をコントロールできなかった話
私はこれまで、仕事をするうえで「性格・考え方・価値観・仕事に対する姿勢が合わない人とは、なるべく深く関わらない」というスタンスを大切にしてきました。無理に相性の悪い相手と時間をかけて向き合うより、合う人と気持ちよく仕事を進めるほうが、チーム全体の成果につながると考えていたからです。
ただ、このスタンスには弱点がありました。実際に「合わない人」をマネジメントしなければならない場面で、うまく力を発揮できなかったのです。
以前、人手が足りず、年配の派遣スタッフの方に営業チームへ加わってもらったことがありました。指示の出し方を変えたり、伝え方を工夫したり、いろいろな角度からアプローチを試みたのですが、本人の長年培ってきたやり方への強いこだわりがあり、なかなかこちらの意図通りには動いてもらえませんでした。
最終的に、こちらもうまくいかない状況が続いて余裕を失い、少しきつい言い方をしてしまったことがあります。その翌日から、その方は現場に来なくなってしまいました。
この経験は今でもはっきり覚えています。マネジメントする側としての力不足を痛感すると同時に、「合わない相手に無理に自分のやり方を教え込もうとすること」自体に、そもそも無理があったのではないか、という気づきを得ました。
そこから見えた共通点
この経験を振り返って気づいたのは、「合う人には自然と手をかけられるが、合わない人には手をかけるほど摩擦が増える」という、ごく人間的な偏りが誰にでもあるということです。そしてこの偏りに無自覚なまま組織運営を続けると、チームの中に静かなムラができていきます。
エース級のメンバーには目が届き、フォローも手厚くなる。一方で、相性が合わないメンバーや、こちらの期待通りに動いてくれないメンバーには、指導が後回しになったり、逆に力が入りすぎて摩擦が強まったりする。どちらも結果として、チーム全体の歯車がかみ合わなくなる原因になります。
もうひとつ見えてきたのは、数字や活動量を管理するツールを整備すること自体は、根本的な解決にはならないという点です。もちろん進捗や成果を可視化する仕組みは必要ですが、ツールだけに頼って「数字で管理していれば人は動く」と考えている組織ほど、メンバーとの間に距離ができやすいと感じています。
数字は結果であって、そこに至るまでの過程でメンバーが何に迷い、何に困っているかは、ツールの画面には表れません。ツールで管理する前に、そもそも困ったときに相談してもらえる関係性があるかどうか。私はここが、営業チームが機能するかどうかの分かれ目になっていると考えています。
私自身、あの派遣スタッフの方とのやり取りでは、指示の出し方ばかりを工夫していて、そもそも本人が何を大事にしていて、何にこだわりがあるのかを聞く時間を十分に取れていませんでした。管理しようとする前に、まず相談し合える関係を作る。この順番を間違えると、どれだけ指示の仕方を工夫しても、うまくいかないのだと思います。
判断基準:向く会社・向かない会社
こうした経験から、営業チームの立て直しにおいて私たちのような伴走が向いている会社と、そうでない会社があると考えています。
向いている会社
- メンバーとの関係性づくりを、仕組みとして見直したいと考えている
- 数字管理のツールは入れているが、活用しきれていない、あるいはメンバーとの距離を感じている
- マネージャー自身が「合う人・合わない人」で対応にムラがあることを自覚し、変えたいと思っている
- 大がかりなシステム導入より、まず日々のコミュニケーションの設計から見直したい
向いていない会社
- 数字やツールだけで完結する管理体制を求めていて、人との関係性づくりに時間をかけたくない
- 特定のメンバーを排除することが目的で、チーム全体の仕組みを見直すつもりはない
- 短期間で劇的な数字改善だけを求めていて、再現性のある仕組みづくりには関心が薄い
営業チームの課題は、ツールを入れ替えれば解決するものではなく、かといって精神論で乗り切れるものでもありません。マネージャーとメンバーの間に「相談しやすい環境」を意図的に設計していくこと。これが、遠回りに見えて一番再現性のある方法だと、私は自分の失敗から学びました。
まとめ:次の一歩
営業チームがうまく回らない背景には、多くの場合「合う人・合わない人への対応の偏り」と「数字管理だけに頼ってしまい、関係性づくりが後回しになっていること」があります。特別なツールを導入する前に、まずはメンバーが安心して相談できる環境を整えること。この順番を意識するだけで、チームの空気は変わっていきます。
もし今のチーム運営で似たような手応えのなさを感じている方がいれば、一度状況を整理するところから、無料相談でお話しさせていただくことも可能です。