メンバーとのすれ違いは、思い込みから生まれる
メンバーとのすれ違いは、能力や相性の問題ではなく、思い込みから生まれることがほとんどです。「これで喜んでもらえるはず」という自分の考えを、相手のことを知らないまま押しつけてしまう。そのズレが、じわじわと関係を離していきます。
良かれと思ってやったことが、離れていく原因になる
チームを率いる立場になると、メンバーのために何かしてあげたいという気持ちが自然と強くなります。困っていそうなら助言をする。悩んでいそうなら声をかける。それ自体は間違っていません。
問題は、その助言や声かけが「相手が今どういう状態で、何を求めているか」を確かめないまま行われるときです。自分がこれまでの経験で正しいと思ってきたやり方、自分ならこうしてほしいという感覚を、そのまま相手に当てはめてしまう。
こちらは善意のつもりでも、相手からすれば「自分の状況を分かってくれていない」と感じます。何度かそれが続くと、相談すること自体をやめてしまう。表面上は普通に業務をこなしていても、本音を話さなくなり、やがてチームから離れていく。これは特定の誰かに限った話ではなく、マネジメントの現場で繰り返し起きる構造だと感じています。
思い込みで動かないための、ヒアリングの手順
相手のことを思っての行動が、かえってすれ違いを生んでしまう。この構造を避けるために、私が意識している手順は次の通りです。
- アドバイスの前に、状況を聞く 何が起きているかを、自分の推測ではなく相手の言葉で確認する。
- 「困っていること」と「求めていること」を分けて聞く 困っている内容と、相手が本当に望む助け方は一致しないことがあります。両方を別に確認する。
- 自分の経験則を、いったん脇に置く 「自分ならこうする」という基準は、相手の状況に合っているかを検証してから使う。
- 理解した内容を、相手に確認し直す 聞いた内容を自分の言葉で要約し、「こういうことで合っていますか」と返す。
- そのうえで、相手の状態に合わせたアドバイスをする ここまでの手順を踏んでから、初めて助言や提案の内容を組み立てる。
順番として大事なのは、ヒアリングが先で、アドバイスが後だということです。この順番が逆になると、どれだけ内容が正しくても、相手には「押しつけ」として伝わってしまいます。
この考え方が効く場面、それだけでは足りない場面
この手順は、メンバーの状態や考え方に個人差が大きい場面、特に信頼関係をこれから築く段階や、相手が本音を出しにくいと感じている場面で効果を発揮します。ヒアリングを丁寧に行うほど、相手は「理解しようとしてくれている」と感じ、話しやすくなります。
一方で、ヒアリングだけでは足りない場面もあります。緊急性が高く、すぐに判断を下す必要がある場合や、業務上のルール・仕組みとして統一しなければならない場合です。こうした場面では、ヒアリングに時間をかけすぎることがかえって現場を混乱させます。平時の関係構築とはヒアリングで、有事の判断はスピードで、と場面によって使い分ける意識が必要だと考えています。
まとめ
メンバーとのすれ違いは、能力の差ではなく、相手を理解する前に自分の考えを押しつけてしまうことから生まれます。ヒアリングを先に、アドバイスを後に。この順番を守るだけで、チームとの関係は変わっていきます。
自分たちのチームで同じようなすれ違いが起きていないか、一度整理してみたいという方は、無料相談でお話をうかがっています。
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