見返りを求めない対応が、紹介を生む理由
一度しっかりした対応をすると、その先で紹介や問い合わせが自然と増えていく。私はこれを何度も経験してきた。結論から言うと、目の前の利益を一旦脇に置いて相手の困りごとを解決することに徹すると、後から信頼という形でリターンが返ってくる。
目先の売上を優先すると、紹介は生まれない
営業をしていると、常に「今この場でどう売上を作るか」という視点が頭をよぎる。もちろんそれ自体は間違っていない。ただ、自社の利益を優先しすぎる対応を続けていると、相手には「売り込まれた」という印象だけが残り、そこから先の紹介にはつながりにくい。
紹介というのは、相手が自分の信用を懸けて誰かに自分を薦める行為だ。だからこそ、短期的な数字よりも「この人(この会社)になら任せて大丈夫」という感覚を相手に持ってもらえるかどうかが、その後の広がりを左右する。
見返りを求めない対応の実例
以前、こちらが扱っている商品を求めている相手がいたが、あいにく在庫がなく、すぐには供給できない状況があった。そのとき、自社からの供給にこだわらず、他の入手方法まで含めて調べて提案したことがある。
正直、この対応は自社の売上には一切つながらない。むしろ、その場で完結する取引だけを考えれば、時間と手間をかけただけの動きだった。それでも、相手にとっては「困っているときに、自分の利益より先に解決策を考えてくれた」という経験として残る。
結果として、その相手からは後日、社内の別部門や、取引のある他社からの問い合わせという形で話が戻ってきた。狙って仕掛けたわけではなく、あくまで目の前の困りごとに対応した結果だった。
この考え方を日々の業務に組み込むなら、次のような順番で考えるとよい。
- 目の前の相手が本当に困っていることは何かを、自社の商品ありきでなく確認する
- 自社で解決できない、あるいは最適でない場合は、それを正直に伝える
- その上で、相手にとって一番良い選択肢(他社の紹介や代替手段も含む)を一緒に考える
- その場の売上にならなくても、対応の質そのものを評価してもらう前提で動く
- 結果として生まれた紹介や問い合わせには、通常の商談と同じ丁寧さで応じる
大切なのは、これを「後で紹介をもらうための戦略」として演出しないことだ。見返りを計算した対応は、相手にも伝わってしまう。あくまで目の前の困りごとを解決することを目的にした結果として、信頼が積み上がっていく。
この考え方が効く場面、効きにくい場面
この対応が特に効くのは、継続的な関係が前提になる商材や、専門性が求められて相手が情報弱者になりやすい取引だ。相手が「この人の判断は信用できる」と感じられれば、次の相談も、周囲への紹介も生まれやすい。
一方で、一回きりの単発取引で、かつ相手との接点が今後ほぼ発生しない場合は、この考え方の効果は限定的になる。また、目先の利益を手放す判断は、経営として続けられる範囲でなければ意味がない。無理に採算を犠牲にし続ける必要はなく、あくまで「今回は相手の利益を優先する」という判断ができる場面を見極めることが前提になる。
まとめ
紹介は、狙って作るものではなく、目の前の相手への対応の積み重ねから結果的に生まれるものだと感じている。自社の利益を一旦脇に置いて相手の困りごとに向き合う姿勢は、遠回りに見えて、実は最も確実な紹介営業の土台になる。
自社の営業活動の中で、こうした対応がどこまで組み込めているか気になった方は、無料相談で一度整理してみることもできる。
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